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インボイス制度(適格請求書等保存方式)【252号】

令和5年10月1日よりインボイス制度が導入されます

令和5年10月1日から、複数税率に対応した消費税の仕入税額控除の方式として適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)が導入されます。
適格請求書等保存方式の下では、「帳簿」及び税務署長に申請して登録を受けた課税事業者である「適格請求書発行事業者」が交付する「適格請求書」(いわゆるインボイス)などの請求書等の保存が仕入税額控除の要件となります。

Ⅰ 適格請求書(インボイス)

適格請求書(インボイス)とは、「売り手が、買い手に対し正確な適用税率や消費税額等を伝えるための手段」であり、一定の事項が記載された請求書や納品書その他これらに類するものをいいます。
インボイス
画像引用:国税庁
記載事項は以上のとおりです。下線の項目が、現行の「区分記載請求書」の記載事項に追加される事項となります。
格請求書及び適格簡易請求書の様式は、法令等で定められていないため、適格請求書又は適格簡易請求書として必要な事項が記載された書類(請求書、納品書、領収書、レシート等)があれば、名称を問わず、また、手書きであっても、適格請求書又は適格簡易請求書に該当します。

Ⅱ適格請求書発行事業者登録制度

適格請求書を交付できるのは、適格請求書発行事業者に限られます
適格請求書発行事業者となるためには、税務署長に「適格請求書発行事業者の登録申請書」(以下「登録申請書」)を提出し、登録を受ける必要があります。なお、課税事業者でなければ登録を受けることはできません

適格請求書発行事業者登録制度
画像引用:国税庁

ポイント

適格請求書発行事業者は、基準期間の課税売上高が1,000万円以下となった場合であっても免税事業者にはならず、消費税及び地方消費税の申告義務が生じますので注意が必要です。

Ⅲ 免税事業者の登録手続

免税事業者が適格請求書発行事業者の登録を受けるためには、登録申請書に加えて「消費税課税事業者選択届出書」を提出し、課税事業者になる必要がありますが、令和5年10月1日を含む課税期間中に登録を受ける場合は、登録を受けた日から課税事業者となる経過措置が設けられています。
免税事業者の登録手続
画像引用:国税庁

Ⅳ 適格請求書発行事業者の義務等(売り手側の留意点)

適格請求書発行事業者には、適格請求書を交付することが困難な一定の場合(下記※参照)を除き、取引の相手方(課税事業者に限ります。)の求めに応じて、適格請求書を交付する義務及び交付した適格請求書の写しを保存する義務が課されます。
なお、不特定多数の者に対して販売等を行う小売業、飲食店業、タクシー業等については、記載事項を簡易なものとした「適格簡易請求書」を交付することができます。

適格請求書の交付義務免除

適格請求書を交付することが困難な以下の取引は、適格請求書の交付義務が免除されます。

  1. 公共交通機関である船舶、バス又は鉄道による旅客の運送(1回の取引の税込価額が3万円未満のものに限ります。)
  2. 出荷者等が卸売市場において行う生鮮食料品等の譲渡(出荷者から委託を受けた受託者が卸売の業務として行うものに限ります。)
  3. 生産者が農業協同組合、漁業協同組合又は森林組合等に委託して行う農林水産物の譲渡(無条件委託方式かつ共同計算方式により生産者を特定せずに行うものに限ります。)
  4. 自動販売機・自動サービス機により行われる課税資産の譲渡等(3万円未満のものに限ります。)
  5. 郵便切手を対価とする郵便サービス(郵便ポストに差し出されたものに限ります。)

Ⅴ 仕入税額控除の要件(買い手側の留意点)

適格請求書等保存方式の下では、適格請求書などの請求書等の交付を受けることが困難な一定の場合(下記(3)参照)を除き、一定の事項を記載した帳簿及び請求書等の保存が仕入税額控除の要件となります。

(1)帳簿の記載事項

  1. 保存が必要となる帳簿の記載事項は以下のとおりです(現行と同様)。
  2. 課税仕入れの相手方の氏名又は名称
  3. 取引年月日
  4. 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
  5. 対価の額

帳簿の記載事項
画像引用:国税庁

(2)請求書等の範囲

保存が必要となる請求等には、以下のものが含まれます。

  1. 適格請求書又は適格簡易請求書
  2. 仕入明細書等(適格請求書に記載事項が記載されており、相手方の確認を受けたもの)
  3. 卸売市場において委託を受けて卸売の業務として行われる生鮮食料品等の譲渡及び農業協同組合等が委託を受けて行う農林水産物の譲渡について、受託者から交付を受ける一定の書類(上記Ⅳ2,3の取引)
  4. 1,から3の書類に係る電磁的記録

ポイント

電磁的記録の提供を受けた事業者(買い手)は、電磁的記録を一定の要件を満たした方法で保存することで、仕入税額控除の適用を受けることができます。

(3)帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる場合

  1. 請求書等の交付を受けることが困難な以下の取引は、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。
  2. 適格請求書の交付義務が免除される上記Ⅳ1,4,5に掲げる取引
  3. 適格簡易請求書の記載事項(取引年月日を除きます。)を満たす入場券等が、使用の際に回収される取引
  4. 古物営業、質屋又は宅地建物取引業を営む者が適格請求書発行事業者でない者から棚卸資産を取得する取引
  5. 適格請求書発行事業者でない者から再生資源又は再生部品(棚卸資産に限ります。)を購入する取引
  6. 従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当等に係る課税仕入れ

免税事業者等からの課税仕入れに係る経過措置

適格請求書等保存方式の導入後は、免税事業者や消費者など、適格請求書発行事業者以外の者から行った課税仕入れは、仕入税額控除のために保存が必要な請求書等の交付を受けることができないことから、原則として仕入税額控除の適用を受けることができません。
ただし、区分記載請求書等と同様の事項が記載された請求書等を保存し、帳簿にこの経過措置の規定の適用を受ける旨が記載されている場合には、一定の期間は、仕入税額相当額の一定割合を仕入税額として控除できる経過措置が設けられています。
免税事業者等からの課税仕入れに係る経過措置
画像引用:国税庁

(礒部)

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