ニュース

2025年分の年末調整の変更点【356号】

この記事の執筆者

税理士法人 中央総研

税理士・医業経営コンサルタント・社会保険労務士などの専門家が在籍。創業から30年以上の豊富な経験とノウハウを活かし、税務会計、事業承継、M&A、コンサルティングまで、お客様の多様なニーズにワンストップで対応している。

2025年も10月後半となり皆さまのお手元にも生命保険等の控除証明書が届き始めたと思います。そこで今回は2025年分の年末調整の変更点をご案内致します。

Ⅰ 基礎控除の見直し

2024年分までは合計所得金額が2,400万円以下の納税者に対しては一律48万円の基礎控除が適用されておりました。
しかし、改正後は合計所得金額が2,350万円以下である場合には合計所得金額に応じて段階的に58万円から95万円の基礎控除を適用することになりました。
合計所得金額が132万円以下の納税者は95万円の基礎控除が適用されますので低所得者層の税負担が軽減されることになります。

なお2027年以降は合計所得金額が132万円を超える納税者の基礎控除額は一律58万円となる予定となっております。

Ⅱ 給与所得控除の見直し

2025年分から給与所得控除の最低保障額が55万円から65万円に引き上げられます。これにより給与収入が190万円以下の給与所得者は控除額が一律65万円となり税負担が軽減されます。

なお給与収入が190万円を超える場合の控除額については変更はありません。

Ⅲ 扶養親族等の所得要件の改正

基礎控除の見直しに伴い扶養控除・配偶者控除・ひとり親控除・勤労学生控除などの所得要件が改正されます。

  • 扶養親族や同一生計配偶者の所得要件が48万円以下から58万円以下に引き上げられます。
  • ひとり親控除の適用要件である生計を一にする子の所得要件が48万円以下から58万円以下に引き上げられます。
  • 配偶者特別控除は配偶者の所得要件が48万円超133万円以下から58万円超133万円以下に引き上げられます。
  • 勤労学生控除における本人の所得要件が75万円以下から85万円以下に引き上げられます。

Ⅳ 特定親族特別控除の創設

新たな控除として特定親族特別控除が新設されます。

特定親族特別控除の対象となる特定親族の要件は下記の通りとなっています。

  • 居住者と生計を一にする19歳以上23歳未満の扶養親族であること
  • 合計所得金額が58万円超~123万円以下であること
  • 配偶者や青色事業専従者・白色事業専従者でないこと

従来の特定扶養親族は合計所得金額が48万円を超えると扶養控除の対象外とされていましたが、今回の改正により合計所得金額が58万円以下であれば扶養控除の対象となり58万円を超えても123万円以下であれば所得に応じて特定親族特別控除の適用を受けられるようになりました。

(西村)

新着情報

税理士法人中央総研 知識と経験を活かし、お客さまに寄り添う
一覧に戻る
OLD
2025年10月22日 退職金いわゆる5年ルール 一部10年に①【355号】

別の記事も読む

行事