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令和5年分 所得税確定申告【314号】

今年も確定申告の時期となりました。令和5年分の申告書提出スケジュールは、受付開始が2月16日(金)、締め切りは3月15日(金)となっています(消費税の申告は4月1日(月)まで)。以下に主な変更点をまとめてみました。

国外居住親族の控除要件が見直し

扶養親族が国外に居住している場合の控除要件が厳しくなり、30歳以上70歳未満の国外居住親族については、原則として扶養控除の対象から外れます。ただし、30歳以上70歳未満の親族であっても留学生、障害者、年38万円以上の生活費等の送金を受けている者のいずれかに該当する場合は扶養控除の対象となります。確定申告書第二表に国外居住親族がいずれに該当するかを明確にする欄が新たに設けられ、下記の番号(1~5)の記載が必要となります。

5・・・16歳未満
1・・・16歳以上30歳未満または70歳以上
2・・・①30歳以上70歳未満の留学生
3・・・②30歳以上70歳未満の障害者
4・・・③30歳以上70歳未満で年38万円以上の生活費等の送金を受けている者
5・・・30歳以上70歳未満で上記①、②、③以外の者

消費税インボイス制度導入に伴う変更

インボイス制度導入に伴い、個人事業者が確定申告書に添付すべき「収支内訳書」や「青色申告決算書」の記載内容が変更されました。白色申告者用の「収支内訳書」の『売上(収入)金額の明細』『仕入金額の明細』欄には取引先名とその住所、取引金額を記載することとなっていましたが、登録番号を記載する項目が加わりました。また、青色申告者用の「青色決算書」にはそもそも『売上(収入)金額の明細』と『仕入金額の明細』がありませんでしたが、今回新たにその項目が設けられ、登録番号の記載欄も設けられました(※登録番号を記入した場合は取引先の名称や住所の記載を省略可)。

財産債務調書制度および国外財産調書制度の改正

これまで確定申告書と併せて提出していた財産債務調書の提出義務の条件等が改正されています。

【改正前】

  • 年間の退職所得を除く各種所得金額の合計が2,000万円を超え、かつ、その年の12月31日時点で合計価額が3億円以上の財産もしくは合計価額が1億円以上の有価証券等を所有している者。
  • 取得価額100万円未満の家庭用財産は記載しなくてもよい。
  • 提出期限は翌年の3月15日まで。

【改正後】

  • 年間の退職所得を除く各種所得金額の合計が2,000万円を超え、かつ、その年の12月31日時点で合計価額が3億円以上の財産もしくは合計価額が1億円以上の有価証券等を所有している者。または、その年の12月31日時点で合計価額が10億円以上の財産を所有している者。
  • 取得価額300万円未満の家庭用財産は記載しなくてもよい。
  • 提出期限は翌年の6月30日まで。

特定非常災害に関連する損失(純損失および雑損失)の繰越控除期間の延長

特定非常災害に関連する損失(純損失および雑損失)の繰越控除期間が、従来の3年間から5年間に延長されています。特定非常災害とは、政府によって指定された非常災害のことで、過去には阪神・淡路大震災や東日本大震災などが該当し、この度の能登半島地震もこれに該当します。令和5年4月1日以降に発生した特定非常災害の被災者の方で損失申告をする場合は、「申告書第四表(損失申告用)付表」を使用することになります。また能登半島地震(令和6年1月1日発生)の被災者を税制面で支援するため、「雑損控除」を1年前倒す(本来の令和6年分確定申告ではなく、令和5年分確定申告に適用)特別立法を検討中とのことですが、これが成立すれば今回の申告で適用し住宅や家財の損害に応じた所得税や住民税を減額できるようになります。

その他の変更

納税地の異動又は変更の届出書の提出が不要に

確定申告書に記載する住所が変わったときは、「納税地の異動又は変更の届出書」を提出しなければなりませんでしたが、令和5年分以後は届出書の提出が不要となります。

上場株式等の配当・譲渡所得の課税方式の統一化

これまで上場株式等の配当・譲渡所得について所得税と住民税でそれぞれ異なる課税方式を選択できましたが、令和5年分から「特定配当等・特定株式等譲渡所得の全部の申告不要」欄が削除され所得税と住民税で課税方式が統一されるようになりました。これにより、所得税で申告不要を選択した場合は、住民税でも申告不要になります。また、所得税で総合課税・分離課税を選択した場合は、住民税も同じ課税方式が適用になります。

上場株式等の配当等を申告する際の「大口株主」の判定方法の変更

令和5年10月1日以後に支払われる配当について、その支払を受ける者に加えて、その者の同族会社に該当する法人の保有分も含めて、大口株主(保有割合が3%以上)と判定します。

(樋口)

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