ニュース

退職所得課税の適正化(短期退職手当等)【257号】

令和4年1月1日から適用される、短期退職手当等のQ&Aが、国税庁ホームページに10月8日に掲載されました。
参考:国税庁(https://www.nta.go.jp/)

改正の概要

退職所得については、長期にわたる勤務の対価(給与)が一時期にまとめて後払されるものであることや、退職後の生活保障的なものであることから、退職所得控除額を控除した残額の2分の1を所得金額とすることにより、所得税の累進税率が緩和され、税負担の平準化が図られる措置(2分の1課税)がとられています。

ただし、このことを利用し、短期間の在職を予定する法人役員等が、その期間の給与の受取りを少なくし、退職金の金額を大きくすることでその期間の税負担を減少させるといった事例が指摘され、これに対応するため、平成24年改正で勤続年数5年以内の法人役員等の退職所得(特定役員退職手当等)の2分の1課税が廃止されました。

上記の改正後も2分の1課税は、役員にのみに該当する税負担減少効果でないため、短期間の在籍を予定する従業員で高額所得者である従業員であっても、同様な効果があることが明らかであり、実際に、そういった租税回避事例が指摘されたことから、令和3年度税制改正により、改正が行われています。これが、短期退職手当等と呼ばれるものです。

この改正を簡潔に言うと、退職手当等のうち、勤続年数が5年以下である者(24年改正対象の特定役員等を除く)が支払いを受ける退職所得の計算において2分の1課税を廃止するというものです。
ただし、雇用の流動化等に配慮し、退職所得控除を除いた支払額300万円までは、引き続き2分の1課税が適用されます。

最後に

上記の制度が適用されるにあたり、今回Q&Aが公表された訳ですが、従前の退職所得に対する所得税の計算に追加する形で行われたため、以前よりも、より複雑なものとなっています。また、頻繁におこるケースでないため、勘違い・計算間違い等が起こりやすいと思われますので、一度Q&Aをお読み頂き、ご認識頂ければと思います。

(川合)

NEW
2021年10月20日 グループ通算制度~連結納税制度からグループ通算制度への移行~【258号】
一覧に戻る
OLD
2021年09月24日 相続登記義務化に関する法改正【256号】

別の記事も読む

行事