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【218号】来年より年末調整手続きの電子化に向けた取組がいよいよスタート

 年末も押し迫り、今年も残すところ僅かとなりました。企業の皆様におかれましては、本業であるお仕事に加え、消費税率変更に伴う会計処理作業の本格化や給料計算の年末調整等の真只中にあると思われます。今回は、年末調整業務の電子化に向けた取り組みについてご紹介させて頂きます。(国税庁ホームページ 年末調整手続の電子化に向けた取り組みについて参照)

 平成30年度税制改正より、令和2年分の年末調整から、生命保険料控除、地震保険料控除及び住宅借入金等特別控除に係る控除証明書等について、勤務先への電子データによる提供が手当されたことなどを受けて、年末調整手続の電子化に向けた施策が実施されます。

年末調整手続の電子化の概要
 これまで年末調整手続は、
  ① 従業員(給与等の支払を受ける方)が、保険会社、金融機関、税務署等の控除証明書発行主体(以下「保険会社等」とい
    います。)から控除証明書等を書面(ハガキ等)で受領
  ② ①の記載内容を保険料控除申告書、住宅借入金等特別控除申告書等に転記の上、控除額を計算し、記入
  ③ ②の申告書や配偶者控除等申告書など、年末調整の際に作成する各種申告書(以下「年末調整申告書」といいます。)を
    作成し、勤務先(給与等の支払者)に提出
  ④ 勤務先において、提出された年末調整申告書に記載された控除額の検算、添付書類等の確認を行った上で、年税額を計算
 という流れで進められていました。

 令和2年10月以後の年末調整手続の電子化は、
  ① 従業員が、保険会社等から控除証明書等を電子データで受領
  ② ①の電子データを年末調整控除申告書作成用ソフトウェア(※1)にインポート(自動入力、控除額(※2)の自動計算)
  ③ 控除額が自動計算された年末調整申告書データを勤務先に提供
  ④ 勤務先において、③のデータを給与システム等にインポートして年税額を計算
 という流れで行うもので、電子化することにより従業員、勤務先の年末調整に要する事務を簡便化するものです。
 ※1 年末調整控除申告書作成用ソフトウェア(年調ソフト)とは、年末調整申告書について、従業員が控除証明書等データを
    活用して簡便に作成し、勤務先に提出する電子データ又は書面を作成する機能を持つ、国税庁が無償で提供するソフト
    ウェアです。
 ※2 所得金額調整控除額の計算については、勤務先で行います。

年末調整手続の電子化のメリット
 年末調整手続を電子化することにより、以下のようなメリットがあります。
 ・従業員にとっては、控除証明書データを利用して年調ソフトで年末調整申告書データを作成することで、手書きによる手続
 (年末調整申告書の記入、控除額の計算など)、が省略でき、年末調整申告書の作成が簡素化できます。また、書面で提供を受
  けた証明書を紛失した場合、金融機関に対し、再発行を依頼しなければなりませんが、電子化によりその手間も不要となりま
  す。 なお、従業員が控除証明書等を取得する方法として、「マイナポータル連携」を利用する場合には、複数の控除証明書等
  を一度の処理で取得することができますので、より従業員の利便性が高まります。
 ・勤務先にとっては、従業員から受領した年末調整申告書データを給与システム等にインポートすることにより、控除額の検算
  が不要となります。また添付書類等の確認に要する事務が削減され、年税額については自動計算を行うことが可能となりま
  す。さらに、書面による年末調整の際に必要だった年末調整申告書や控除証明書等の保管に要するコストも削減することがで
  きます。
 ※1 マイナポータル連携とは、従業員が年末調整申告書データの作成中に保険料控除等で使用する控除証明書等データを、マ
    イナポータルから自動取得するもので、簡便・効率的に年末調整申告書を作成することが可能となります。
 ※2 年末調整申告書等を電子データで受領し年税額の計算等を行うためには、勤務先の給与等のシステムが年末調整申告書デ
    ータの取込みに対応する必要があります。詳しくはご利用の給与システム等の開発業者等にお尋ねください。

 いかがでしたでしょうか。導入にあたってはハード面だけはなく、税務署に「源泉徴収に関する申告書に記載すべき事項の電磁的方法による提供の承認申請書」を事前に提出する必要と様々な準備が必要となりますが、業務の省力化の観点から検討してみてはいかがでしょうか。(川合)

 

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2019年12月25日 【219号】令和2年度税制改正大綱公表
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2019年11月20日 【217号】災害により取引先等が被害を受けた場合には

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