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【247号】2021年度介護報酬改定

 3年毎に評価見直しされる介護報酬改定が4月1日から実施されます。前回の改定率はプラス0.54%でしたが今回はプラス0.7%(国費196億円)となっており、0.7%のうち0.05%は新型コロナウイルス感染症に対応するための特例的な報酬(9月末まで)です。改定の概要は、『新型コロナウイルス感染症や大規模災害が発生する中で「感染症や災害への対応力強化」を図るとともに、団塊の世代の全てが75歳以上となる2025年に向けて、2040年も見据えながら、「地域包括ケアシステムの推進」、「自立支援・重度化防止の取組の推進」、「介護人材の確保・介護現場の革新」、「制度の安定性・持続可能性の確保」を図る。』とされています。

介護報酬改定の概要

1.感染症や災害への対応力強化
■感染症や災害が発生した場合であっても、利用者に必要なサービスが安定的・継続的に提供される体制を構築
 ○日頃からの備えと業務継続に向けた取組の推進

2.地域包括ケアシステムの推進
■住み慣れた地域において、利用者の尊厳を保持しつつ、必要なサービスが切れ目なく提供されるよう取組を推進
 ○認知症への対応力向上に向けた取組の推進
 ○看取りへの対応の充実
 ○医療と介護の連携の推進
 ○在宅サービス、介護保険施設や高齢者住まいの機能・対応強化
 ○ケアマネジメントの質の向上と公正中立性の確保
 ○地域の特性に応じたサービスの確保

3.自立支援・重度化防止の取組の推進
■制度の目的に沿って、質の評価やデータ活用を行いながら、科学的に効果が裏付けられた質の高いサービスの提供を推進
 ○リハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養の取組の連携・強化
 ○介護サービスの質の評価と科学的介護の取組の推進
 ○寝たきり防止等、重度化防止の取組の推進

4.介護人材の確保・介護現場の革新
■喫緊・重要な課題として、介護人材の確保・介護現場の革新に対応
 ○介護職員の処遇改善や職場環境の改善に向けた取組の推進
 ○テクノロジーの活用や人員基準・運営基準の緩和を通じた業務効率化・業務負担軽減の推進
 ○文書負担軽減や手続きの効率化による介護現場の業務負担軽減の推進

5.制度の安定性・持続可能性の確保
■必要なサービスは確保しつつ、適正化・重点化を図る
 ○評価の適正化・重点化
 ○報酬体系の簡素化

 上記5つの中で注目されるのは、3.自立支援・重度化防止の取組の推進にある「科学的介護の取組の推進」です。その具体的な取組として、「CHASE・VISIT情報の収集・活用とPDCAサイクルの推進」があります。さまざまな介護サービスが多く存在するなかでそれぞれの利用者に合ったサービスを提供すべきですが、そのサービス内容にどのくらいの効果があるのか、どれほどのリスクがあるのかという根拠や客観的情報が不足していては、利用者は利用したいサービスを選択することができません。そこで、リハビリテーションに関する情報を蓄積するデータベースであるVISIT(monitoring & eValuation for rehabIlitation ServIces for long-Term care)や、ケアマネージャーが作成するアセスメントなどの科学的データを集めたCHASECare、HeAlth、Status、Eventsを組み合わせた造語)を活用し、科学的に裏付けられた利用者に求められる介護サービスを提供しようというねらいです(CHASEとVISITは一体的に運用されることとなり、LIFELong-term care Information system For Evidence)と名称変更)。
 これにより報酬の新設評価項目として、「科学的介護推進体制加算」が改定に盛り込まれています。この科学的介護推進体制加算を獲得するにはLIFEへの情報提供が要件となっていますが、それだけではなくLIFEからのフィードバックなどを活用し、事業所内でPDCAサイクルを回していくことも要件となっています。厚労省は「PDCAサイクルにより、質の高いサービスを実施する体制を構築するとともに、その更なる向上に努めることが重要」としています。

(樋口)

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