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[157号] 実質GDPは+1.0%!

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2016年度は世界同時低成長
実質GDPは+1.0%!

明けましておめでとうございます。皆様、年末年始はいかがお過ごしでしたか?今年のお正月は暖かい穏やかな日々でしたが、新年早々日経平均株価は続落し、為替も円高ドル安の進行という荒れ模様のスタートとなりました。このような円高・株安は、安倍政権が目指す「円安・株高・原油安による経済の好循環の実現」の前提条件を損なうものです。

原油価格の下落による世界経済の減速

このような円高株安をもたらした要因は、2015年の中国経済の減速です。中国経済を牽引していた輸出は前年比▼2.8%、輸入は前年比▼14.1%と急減速した中国経済の需要減と米国シェールオイルの供給増により原油の需給が大きく崩れ原油価格は続落し1バレル当り30ドル割れとなっています。

この原油安を契機に世界経済は急速に悪化しており、世界同時超低成長に突入したものと思われます。

① 資源国・新興国の減速→資源国・新興国は、ドル高通貨安で膨らんだ債務に原油安に伴う財政悪化が重なり、債務不履行懸念が生じています。

② 金融市場の混乱→新興国から投資マネーの流出が始まり、財政悪化した産油国はオイルマネーの還流を始めており世界同時株安を招いています。

為替は「円高ドル安」傾向に転換

異次元金融緩和によって円安であった為替相場は、次の事情により円高ドル安傾向に転換しています。
① 日米の為替政策の思惑を配慮し日銀総裁による円安けん制発言により円安が頭打ち・・・
② 資源国新興国の債務不履行リスクからマネーの逃避通貨である円買いが進行・・・
③ 原油安によって貿易収支の赤字幅が縮小し経常収支の黒字幅拡大による円買いの増加・・・しかし、金利の正常化を目指す米国が、世界経済に配慮しつつ金利を更に引上げた場合、日米間の金利差が意識され再び円安に戻る可能性があります。

2016年度は低成長、デフレ脱却は困難

このように日本を取り巻く経済環境は厳しいものがあり、2016年度は消費税率引上げ前の駆け込み需要やインバウント消費にも拘らず、世界同時不況に対する先行き不安から賃上げ・設備投資・輸出などが伸び悩み、政府見通しである実質GDP成長率+1.7%、名目GDP成長率+3.1%を大きく下回る次のような低成長率となると予想しています。

そのため、原油安によりデフレ脱却が難しいうえ、中国経済の減速が直撃する2016年度及び消費税引上げに伴うマイナス成長となる2017年度に備え、経営者の皆さんは、より慎重な経営を行っていただきたいと願っています。

代表社員会長 小島興一

税金ミニ情報

消費税の軽減税率制度の導入
~酒類・外食を除く飲食料品、新聞が対象~

消費税率が10%に引き上げられる平成29年4月に、低所得者への配慮として、軽減税率が導入されることが、平成28年度税制改正大綱に明記されました。軽減税率は、消費者が買い物の都度、痛税感の緩和を実感できるとの利点から、導入が決定されました。

(1)軽減税率と適用時期

軽減税率は、8%(国分6.24%、地方分1.76%)とされ、平成29年4月1日以後に国内において事業者が行う資産の譲渡等並びに保税地域から引き取られる課税貨物について適用されます。

(2)軽減税率の対象品目

軽減税率の対象品目は、次のとおりとされました。
① 酒類・外食サービスを除く飲食料品の譲渡
② 定期購読契約が締結された新聞の譲渡
上記の「飲食料品」とは、食品表示法に規定する食品(酒税法に規定する酒類を除く。)をいい、生鮮食品、飲料・菓子類を含む加工食品が軽減税率の対象となります。例えば、スーパーなどで販売される天然水は軽減税率の対象になりますが、水道水は食品表示法で規定されていないため対象外となります。さらに、みりんは酒税法上の酒類のため対象外となります。
飲食料品と飲食料品以外の資産が一体となっている資産については、飲食料品に該当せず、軽減税率の対象外となります。ただし、一定金額以下の少額の資産であって、主たる部分が飲食料品から構成されているものについては、その全体を飲食料品として軽減税率の対象とされます。玩具のおまけ付き菓子のような商品は、菓子が主たる部分なら対象になります。なお、上記の一定金額とは、1万円以下が想定されています。

(3)軽減税率対象外の外食サービス

軽減税率の対象外となる外食とは、食品衛生法上の飲食店営業、喫茶店営業その他の食事の提供を行う事業を営む事業者が、一定の飲食設備のある場所等において行う食事の提供と明記されています。
例えば、ハンバーガー店のテイクアウトやピザの宅配は軽減税率の対象となりますが、テーブルや椅子のある屋台やフードコートの飲食スペースで飲食する場合は対象外となります。

代表社員 小島 淳次

税金ミニ情報

平成27年分確定申告 ~書類のご準備を!~

早いもので、平成28年もひと月経ちます。確定申告の準備を進められている方も多いのではないでしょうか。そこで、平成27年分の確定申告の注意点などをまとめました。

※所得税及び復興特別所得税の還付申告は2月15日(月)以前でも可
※マイナンバーは申告書へ記載不要(来年から必要)

ふるさと納税を活用した方が寄附金控除を受けるためには、寄附をした自治体が発行する寄附の証明書・受領書や、専用振込用紙の払込控(受領書)を提出しなければなりません。お手元にない場合は再発行手続きが必要です。
高所得者に影響が大きい改正としては、所得税の課税所得が4000万円を超える部分にかかる税率が40%から45%へ引き上げられた点です。また、一定の方は財産債務調書という書類を提出する必要が出てきました。従来、財産及び債務の明細書を提出する義務(所得が2000万円超の方)がありましたが、提出していない場合の罰則規定はありませんでした。今年からは財産債務調書へと代わり、罰則規定が整備されています。提出義務があるのは、①その年分の所得が2000万円超、かつ②その年の12月31日に有する資産総額が3億円以上、または、国外転出特例対象財産(有価証券等)が1億円以上の方です。記載すべき内容は、その財産の種類、数量、価額ならびに債務の金額などとなっています。未提出だったり、提出していても修正申告に関わる財産などの記載がない場合は、過少申告加算税(10%・15%)または無申告加算税(15%・20%)の額が5%加算されます。一方で、提出していれば、過少申告加算税および無申告加算税は5%軽減されます。

税務会計部第1課課長 樋口 敬

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2016年02月25日 [158号] マイナス金利導入の効果は?
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