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スマホ申告がさらに便利になりました【291号】

確定申告の受付が2月16日から始まりました。国税電子申告・納税システム「e-Tax(イータックス)」を利用しスマートフォンでの申告が推奨されています。2019年から始まったスマホ申告ですが、毎年少しずつ便利になってきています。PC画面が分かりやすくリニューアルされ申告内容の対応範囲が広くなりました。事業所得や不動産所得を申告する際に必要となる青色申告決算書・収支内訳書も作成可能となり、マイナンバーカードを利用して自分の情報をまとめて取得し、自動転記までしてくれる「マイナポータル連携」の機能が追加されています。また、スマホのカメラで給与の源泉徴収票のデータを読み込むことも可能です。

スマホ対応範囲

スマホ申告の対象となっている所得は次のものです。

  • 給与所得
  • 雑所得(年金、恩給などの所得、原稿料、シェアリングエコノミーなどの副収入による所得、暗号資産取引などによる所得)
  • 一時所得(生命保険の一時金、賞金や懸賞当選金、競馬の払戻金)
  • 特定口座年間取引報告書(上場株式等の譲渡所得等・配当所得等)
  • 上場株式等の譲渡損失額(前年繰越分)
  • 事業所得(青色申告決算書・収支内訳書も作成の場合)
  • 不動産所得(青色申告決算書・収支内訳書も作成の場合)

また、各種控除等については、社会保険料控除、医療費控除、寄附金控除などすべての所得控除のほか、住宅ローン控除や配当控除、政党等寄付金特別控除、外国税額控除などの税額控除にも対応しています。

マイナポータル連携

マイナポータル連携とは、マイナポータルを活用して控除証明書等の必要書類のデータを一括取得し、各種申告書への自動入力を行うものです。具体的には医療費、ふるさと納税に加え、国民年金保険料、公的年金などの源泉徴収票も自動取得できるようになりました。 マイナポータルで事前設定を行い、マイナンバーカードを利用してe-Tax送信する場合に利用できます。

マイナンバーカード方式とID・パスワード方式

スマホ申告にはマイナンバーカード方式とIDパスワード方式があります。マイナンバーカードを持っていない方はIDパスワード方式を選択することになり、「ID・パスワード方式の届出完了通知書」に記載されているe-Tax用ID(利用者識別番号)とパスワード(暗証番号)を利用してe-Taxによる送信を行います。IDの発行に係る届出は税務署へ出向き運転免許証などの本人確認書類の提示が必要となります。また、マイナンバーカードがあればWEBからも届出ができますが、そもそもマイナンバーカードがあるわけですからIDとパスワードの取得のために届出をする必要はなくマイナンバーカード方式を選択すればよいわけです。なお、国税庁ではIDパスワード方式をマイナンバーカードが普及するまでの暫定的な対応としており、マイナンバーカードの取得を推奨しています。 

スマートフォンでの操作要領(PDF)

(国税庁HPより)

給与や年金の所得だけで医療費控除やふるさと納税があることにより税金が還付となる方などはスマホ申告がとても便利です。申告後に還付されるまでの期間については、書面提出の場合が1か月から1か月半程度かかるところをe-Tax送信の場合は3週間程度と早くなるようです。また、副収入があり毎年申告が必要な方については入力項目が少なければパソコンよりもスマホがお手軽で、納税額が30万円以下ならばアプリでの納付も可能となっています。

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(樋口)

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