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【198号】相続分野の民法改正 その3

遺留分制度に関する見直し

 (1)遺留分減殺請求権の効力及び法的性質の見直し

   現行法では、遺留分請求が行われると、物権的効力が有るため、目的財産が受遺者等と遺留分権利者の共有となってしまう

  場合が多く、財産の処分や共有関係の解消が新たな紛争の火種になってしまう例がみられました。しかし、そもそも遺留分制度

  の目的は、最低限の相続分の確保や生活保障なので、必ずしも物権的効力まで認める必要はないとの考え方から、今回の改正

  では、「遺留分侵害額請求」によって金銭債権が発生するという制度に改められました。また金銭債務を負った受遺者等の保

  護の観点から、金銭債務を負った受遺者等が、すぐに資金を準備出来ない場合は、裁判所の許可を得て、支払を猶予してもら

  ことが出来る様になりました。

   尚、遺留分侵害請求権の行使を受けた受遺者等は、金銭債務を負担しますが、その際の負担の順序などは現行法と同様

  です。

 (2)遺留分の算定方法の見直し

   現行法では、遺留分の計算上算入される贈与の範囲は、相続人に対するものか否かで次の様に取り扱いが異なっていま

  した。

   相続人以外に対する贈与 : 原則として相続開始前1年間にされた贈与に限らます。

   相続人に対する贈与のうち特別受益にあたるもの : 特段の事情が無い限り全ての期間の贈与が算入されます。

   現行法に依れば、被相続人が、相続開始の何十年も前に行った相続人に対する贈与の存在により、その受贈者や他の受遺者・

  受贈者が受ける減殺の範囲が大きく変動し、法的安定性を害するとの理由で、改正法では相続人に対する贈与(特別受益にあた

  るもの)について、相続開始前10年間にされたものに限って算入されることになりました。ただし、当事者双方が遺留分権利

  者に損害を与えることを知って行った贈与については10年より前にされたものも算入されます。

   尚、相続人以外の者に対する生前贈与については変更なく、その他負担付贈与について、目的財産の価額から負担の価額を

  控除した額を遺留分算定のための財産の価額に算入することになり、規定の明確化が図られます。

 

不動産登記の義務化

  現行法では、遺言で不動産を相続した場合、登記をしなくても権利の取得を主張できます。しかし、この場合、第三者がその

 不動産の所有を確定させるのが困難であるため、不動産の流通に支障を来たす例が散見されました。

 そこで改正法では、今後、法定相続分を超える分は登記がなければ主張できないとする制度を設けることになりました。

(蒔田)

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