2008年1月1日時点の公示価格が3月下旬に国土交通省から発表されました。発表によると、公示地価の全国平均地価が前年比1.7%上昇し、2年連続で前年を上回りました。しかも、下表のように全国平均では商業地のみならず、住宅地も前年の伸び率を1ポイント超上回って上昇しました。
| 年度 | 2005年 | 2006年 | 2007年 | 2008年 |
| 住宅地 | ▼4.6 | ▼2.7 | +0.1 | +1.3 |
| 商業地 | ▼5.6 | ▼2.7 | +2.3 | +3.8 |
| 全用途 | ▼5.0 | ▼2.8 | +0.4 | +1.7 |
今年の特徴は、商業地のオフィス需要に引っ張られて、三大都市圏である東京(12.2%)、名古屋(8.4%)、大阪(7.2%)が大幅に上昇するとともに、仙台や福岡、横浜、千葉などの地方中核都市でも前年に引き続き上昇しました。さらに、住宅地も、人口が増加する三大都市圏を中心に2年連続上昇しました。しかし、手放しで喜ぶことはできません。
というのは、不動産の買い手の中核ともいうべき不動産ファンドは、サブプライム・ローンの影響で2007年の秋口から資金調達力に陰りが出てきたところに、金融機関が不動産に対する融資を厳格化してきたため不動産の値下がりが始まっています。
特に、不動産の価値尺度である「収益還元価値」は、不動産の空室率や賃料収入に左右されるため、やや供給過剰気味の環境下では、地価は弱含みで推移しています。
このことを象徴するのが、不動産投資信託(REIT)の価格の値下がりです。1年前のREIT 利回りは3%を切るような状況でしたが、元本価格の値下がりによってREITの利回りは6〜11%という高利回り商品となっています。
このように、土地価格の尺度が、利用価値ということになれば、当然ながら人口が減少している地方圏では、下げ幅は縮小したものの商業地(▼1.4%)も住宅地(▼1.8%)も値下がりを続けており、地価の二極分化がより鮮明になっています。
しかし、三大都市圏の地価は大きく上昇に転じたといっても、下表のように三大都市圏の商業地の地価は30年前を上回っているものの、ピークの3分の1以下であり、地方圏の商業地の地価にいたっては30年前の水準を20%以上も下回っているという厳しい状況にあります。
| 30年前 | 20年前 | ピーク | 2008年 | ||
| 商業地 | 三大都市圏 | 100.0 | 312.8 | 457.6 | 125.4 |
| 地方圏 | 100.0 | 146.8 | 212.8 | 78.1 | |
| 住宅地 | 三大都市圏 | 100.0 | 288.3 | 421.6 | 181.6 |
| 地方圏 | 100.0 | 160.2 | 216.5 | 143.0 | |
| 名目GDP | 100.0 | 182.9 | 223.3 | 247.1 | |
さらに、GDPは30年前の2.5倍程度になっているにも拘らず、土地の公示価格はいずれもGDPの伸びを大きく下回っており、バブル崩壊の傷跡の深さがいかに大きかったかを示しています。
ということは、証券化によって世界中に拡散した米国の住宅バブルの崩壊が世界経済に与える影響はかなり大きくなりそうです。
(小島理事長)
1.改正の趣旨
人口減少社会において、日本経済の競争力を強化するためには、一人ひとりの生産性の向上が重要です。特に中小企業では、団塊世代の大量退職に備え、熟練技能等の次世代への承継が必要になっています。
そこで、平成17年度税制改正において、教育訓練費が直前2期分の平均額を超える場合に税額を控除する「教育訓練費の税額控除制度」が創設されましたが、中小企業では毎年着実に教育訓練費を増加させることは困難になっていたので、平成20年度税制改正では、教育訓練費の増減に関わらず税額を控除できる制度を導入し、人材投資促進税制の拡充を図りました。
2.改正の概要
中小企業者等において、適用年度における労働費用(使用人に対する給与、法定福利費、教育訓練費の合計)に占める教育訓練費の割合が、中小企業者等のほぼ平均である0.15%以上である場合に、教育訓練費の総額の8〜12%相当額を税額から控除できる制度に改正されます。この改正は、法人は平成20年4月1日以降開始事業年度から、個人事業者は平成21年分以降の所得税から適用されます。
税額控除額 = 教育訓練費 × 控除率※(上限12%)
(注)中小企業基盤強化税制の税額控除と合計して法人税額の20%が限度となる見込
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なお、人材投資促進税制の大法人(中小企業者等以外)分については、適用期限(平成20年3月31日までに開始する事業年度)をもって廃止となります。
3.改正の影響
教育訓練費の税額控除は、教育訓練費が労働費用の0.15%以上の場合に適用されるので、教育訓練は労働費用の0.15%以上を目標に計画する必要があります。 なお、教育訓練費とは使用人(役員等を除く)の職務に必要な技術又は知識を習得・向上させる費用をいいます。例えば、研修の受講料、講師料、施設の使用料、教材の購入・制作費用などが含まれます。
(小島淳次)
先月末をもって、いわゆる「ガソリン税」の暫定税率が失効したことは周知のことです。現在、暫定税率の復活議論がなされており、今後どのような結論となるのか余談を許さない情勢です。
さて、暫定税率が失効した結果、3月末のレギュラーガソリン全国小売平均価格152.9円から22.3円下落し、130.6円(4/14現在;石油情報センター)となっています。しかし、消費者にとっては、正直なところ、レギュラーガソリン1Lあたり130円といっても、以前の1Lあたり100円時代を知っている方からすれば、まだまだ高いと感じている人もいるようです。ガソリンがこれほどまでに高い理由は、原油取引価格が高騰しているに他なりません。4月17日には1バーレル(159L)が117us$と最高値更新のニュースがありましたが、これまで次のとおり原油価格とガソリン価格は同調した推移となっています。
| H12.12 | H15.12 | H18.12 | H19.2 | |
| us$/B(バーレル) | 31.9 | 30.2 | 58.6 | 92.7 |
| レギュラー小売価格(込) | 105 | 100 | 134 | 153 |
実は、ガソリン小売価格が上昇しても、ガソリン関連業界はそれほど儲かっていないのが現実です。というのも、次の表のとおり、実質の利益は時系列でみると確実に減少しているのがわかります。
| H6.1 | H11.3 | H17.11 | H19.3 | |
| 1.消費税込価格(レギュラー 1L) | 126 | 96 | 130 | 153 |
| 2.消費税・揮発油税抜価格 | 68 | 46 | 70 | 92 |
| 3.前月運賃保険込原油価格 | 10 | 8 | 43 | 63 |
| 4.精製・流通・販売コスト、利益(2.-3.) | 58 | 38 | 27 | 29 |
このように、ガソリン税の問題は大きな問題ですが、原油高騰もかなり大きな問題です。購入するガソリン価格の高騰が経費負担増となり企業利益圧迫や厳しい生活を強いられていますが、コスト上昇に応じた販売価格への転嫁ができない厳しい企業運営となっており、エネルギー資源高騰による景気失速への可能性が高い状況といえます。
(桑原)


