税理士法人 中央総研

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中央総研ニュース

第61号

2008.01.25

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ニュース

08年世界経済は同時減速 日本経済には厳しい一年

皆さん、明けましておめでとうございます。

新年から株価が大幅に下落した波乱の幕開けが象徴するように08年は厳しい年になりそうです。

02年1月をスタートとした超ロングランの景気拡大が続いていますが、この景気は世界経済の同時成長の恩恵を受けた外需依存によるものです。

そのため、サブプライム問題により米国経済は減速することが見込まれていますので、米国の減速に連動して外需依存率の高い日本経済も減速は避けられないと思います。

08年世界経済は同時に減速する(IMF予測)

この点、国際通貨基金(IMF)は、08年の世界経済の見通しについて、米国の減速によって世界は同時に減速するものの、世界経済の実質成長率は、07年の5.2%から0.4%下落し、08年は4.8%という比較的高い成長を維持すると予測しています。

IMF:世界の実質経済成長率の予想 (単位:前年比%)
  06年 07年 08年 名目 GDP(シェア)
先進国 +2.9 +2.5 +2.2 億ドル
米国 +2.9 +1.9 +1.9 132,018(27.4%)
ユーロ +2.8 +2.5 +2.1 105,265(21.8%)
日本 +2.2 +2.0 +1.7 43,401(9.0%)
途上国 +9.8 +9.8 +8.8  
中国 +11.1 +11.5 +10.0 26,681(5.5%)
インド +9.7 +8.9 +8.4 9,063(1.9%)
世界計 +5.4 +5.2 +4.8 482,449(100%)

いわば、世界のGDPの27%の米国経済が減速しても中国など途上国が引続き高成長を続け、先進国の低成長を補うというシナリオを想定し、減速するものの成長率の低下はわずかであるとしています。

日本政府見通しは実質2.0%、名目2.1%

一方、日本政府の08年度の日本経済の見通しは、デフレを脱却し、実質経済成長率2.0%、名目経済成長率2.1%としています。この数字は07年度の実績見込み実質1.3%、名目0.8%を大幅に上回っており、楽観的過ぎる見通しであると思います。

最近5年間は、輸出に牽引された景気拡大でしたが、その外需に翳りが出る上、給与アップの見通しも厳しく、円高や株価の下落による逆資産効果もあり、私は政府予測を大幅に下回る実質1.0%、名目1.1%程度という低成長率を予想しています。

特に、外需の恩恵のない中小企業は、消費低迷の国内市場において原油高などのコストプッシュを価格転嫁できず、さらに厳しい一年となりそうです。

過剰流動性は変わらない。投資のチャンス

このように低成長が予測されるため先行指標である日本の株式市場は下落を続けていますが、世界は過剰流動性であることには変わりがありません

これらの資金は、質への逃避として株式市場から原油・金・穀物など実物資産に流れ込んでいますが、実物資産への投機にはコストとしての限界が来ますので、マネーは大きく下落した株式市場に必ず戻ってくると思います

従って、中国・インド株式以外に、アジアなど高度成長地域への輸出ウエイトが高い日本の大手製造業など大きく下げた国際優良株を購入するチャンスがやってきたと考えています。

(小島理事長)

税金ミニ情報

平成20年度税制改正大綱が決定 〜消費税引き上げは明記されず〜

自民、公明両党は昨年12月13日の与党税制協議会で、平成20年度以降の税制改正の内容を取りまとめ、『平成20年度税制改正大綱』を公表しました。

大綱では、野党の反対や選挙を意識し、税制改正の焦点であった消費税率の引き上げについての詳述は見送られ、所得税や法人税を含む抜本改革は先送りされました。特に法人実効税率の引き下げは国際的な潮流ですが、主要国で最も高い水準にある日本の法人税実効税率の引き下げには踏み込まれませんでした。日本の財政事情を考えれば、消費税増税を求めてからでしが、所得税や法人税に手がつけられないにもかかわらず、選挙対策で消費税が手付かずとなったため、問題先送りの小粒な改正にとどまりました。

所得税
≪証券税制関連(平成21年から)≫
上場株式等の譲渡損失を配当所得から控除可能に
上場株式等の譲渡益に対する軽減税率廃止
株式譲渡益500万円超の部分 税率10%→20%
上場株式等に係る配当の軽減税率の廃止
年間100万円超の配当 税率10%→20%
住宅の省エネ改修促進税制
(平成20年4月から)断熱工事などの住宅ローン残高に対し税額控除(固定資産税を減額する措置も講じられた)
法人税
《平成20年4月1日以後開始事業年度から適用》
機械装置の法定耐用年数表の区分を簡素化
教育訓練費に係る税額控除の見直し
大企業分は適用期限で廃止し、中小企業は教育訓練費総額の一定割合を税額控除できる制度に
試験研究費に係る税額控除を拡充
相続税
非上場株式にかかる相続税の納税猶予制度
代表者が保有していた非上場株式を後継者が相続した場合、非上場株の相続税を80%軽減
その他
長期耐用住宅(耐久性に優れた住宅)
固定資産税、不動産取得税、登録免許税を優遇
ふるさと納税
自治体への寄付を住民税から控除
法人事業税の税率改正・地方法人特別税の創設

(小島淳)

経営ミニ情報

改正建築基準法による影響 〜混乱する建設・不動産業界〜

建築物の耐震偽装問題が発生したのが平成17年、その対策として国土交通省は、平成19年6月20日改正建築基準法を施行しました。改正建築基準法は「建築確認・検査の厳格化」され、概要は次のとおりです。

  1. 構造計算適合性判定制度の導入
    高度な構造計算を行う建築物について、第三者機関による構造審査の義務付け
  2. 審査期間の延長
    建築確認審査期間が35日間(最大70日)
  3. 指針に基づく厳格な審査の実施
    審査提出後の計画変更等は再申請が必要など
審査提出後の計画変更等は再申請が必要など
  新設着工総戸数 うち分譲マンション
戸数 前年比 戸数 前年比
H19.6 121,149 +6.0% 22,730 +16.2%
H19.7 81,714 -23.4% 12,165 -17.0%
H19.8 63,076 -43.3% 7,069 -63.2%
H19.9 63,018 -44.0% 5,328 -74.8%
H19.10 76,920 -35.0% 6,567 -71.1%
H19.11 84,252 -27.0% 8,331 -63.9%

(出所;国土交通省、住宅着工統計H19.11月分)

改正建築基準法の施行により、上表のとおり昨年6月には駆け込み需要もありましたが、構造計算が伴う建築物については着工戸数の大幅な減少となっています。その原因は、審査に必要となる新しい大臣認定ソフトがようやく今月認定という法律の施行と実態が乖離した状態であり、また申請書類の確認審査等が予定期間で終了できていないなど運用面での準備不足等があげられます。

建築基準法の改正による着工の大幅な減少により、建設業者は資金繰りに窮し、倒産の可能性もでてきています。そこで、セーフティネット貸付制度やセーフティ保証制度(信用保証協会が一般保証限度額の別枠で債務保証;指定期間:平成20年3月31日まで)の活用も視野に入れる必要があります。

景気では、サブプライム問題・原油高だけでなく、住宅着工の大幅な減少はGDPに与える影響も大きく、景気減退の一要因ともなりかねません。

(桑原)

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