07年の『今年の漢字』は、今年の世相を表す『偽』だそうです。偽とは、いつわる、だます、にせものという意味ですが、確かに今年は企業の不祥事続きでしたから、成程と思わず頷いてしまいました。
不二家の期限切れ食材の使用から、ミートホープの食肉偽装、白い恋人や赤福などの賞味期限偽装、老舗料亭船場吉兆の産地偽装、東洋ゴム工業やニチアスの耐火性能偽装、あるいは年金記録、政治活動費、米艦への給油量の偽報告・・・などリストアップしきれないほどの『偽』が多い一年でした。
特に、不祥事の多くが歴史の永い老舗同族企業で発生し、その発覚は、食中毒などの被害を契機とするものではなく、その企業の従業員からの内部告発によるものが殆どでした。
それにも拘らず、記者会見に臨んだ経営者は、現場の判断で行ったものという責任逃れの発言が多く、しかも、「ご先祖様に申し訳がない」「創業者である父に合わせる顔がない」などとお客様である消費者への謝罪の言葉がありませんでした。
これらの企業には、消費者から長い年月にわたって支持されてきただけの価値ある「企業理念」があったからこそ、業界内において今日の地位を築くことが出来たのであろうと思います。しかし、今回の事件で、いつの間にか「お客様のため」という企業理念が風化していることが露呈したわけです。
私たちは、今回の事件を反面教師として、自社の仕組みの中に法令違反がないだろうか?企業倫理に照らして問題はないか?万一、予想外の不祥事が発生したらどう対処すべきか?などを検討することが必要であると痛感いたしました。
日本国内が不祥事に揺れ動いている最中に、米国の住宅バブルの崩壊により米国のサブプライムローン(低所得者向け高金利住宅ローン)問題が表面化しました。
しかも、債務不履行の可能性が高いこのローンが証券化され、信用度の高い格付けを付されて世界中に拡散されています。まさに格付け偽装により金融市場の信用収縮が起こり、投資マネーは「質への逃避」を即し、ドル建て資産から原油、金、小麦などの商品市場へ向かい、いずれの商品も00年に比べると3倍を超える値上がりとなり、原料価格、仕入れ価格の高騰をもたらしています。
ところが、世界的な過当競争から、この原料高の価格転嫁が出来ず、しわ寄せは中小企業へ行き、その結果が人件費の削減となって、国内市場の消費の抑制となりそうです。
さらに、耐震偽装事件の再発を防止する目的で、07年6月に建築確認の審査を厳格化する建築基準法の改正が施行された結果、次の通り7月以降、住宅着工戸数は激減しています。
| 年度 | 05年度 | 06年度 | 07.4〜 | 07.7〜 | 07.10〜 |
| 前年比 | +4.7 | +2.9 | -2.8 | -36.9 | -35.0 |
まさに、「偽装」がテーマの年の締めくくりに相応しい?建築確認の審査の強化が、景気の裾野の広い住宅着工の激減を通じて、官製不況ともいう景気の失速をもたらし、07年度の経済成長率は当初の実質2.1%、名目2.2%を大きく下回る、実質1.3%、名目0.8%となりそうです。
(小島理事長)
今年の年末調整も、基本的事項についての改正はありませんから、昨年とほぼ同じ要領で行いますが、次の10項目の改正があり、特に地震保険料控除と住宅ロ−ン控除にかかる住民税の特例については、注意が必要です。
- 地震保険料控除の創設
- 住宅ロ−ン控除の特例の創設
- 税源移譲の実施に伴う住民税の特例
- バリアフリ−回収促進税制の創設
- 所得税額の速算表の改正
- 給与所得源泉徴収票等の電磁的方法による交付
- 扶養控除等申告書等の電磁的方法による提出
- e−Taxによる源泉所得税納付手続の簡素化
- 生命保険料控除対象生命保険契約等の範囲拡大
- 定率減税の廃止
〈 地震保険料控除 〉
- 内容・・・・自己若しくは生計を一にする親族の有する家屋又は生活用動産の地震等損害を補填する地震保険料を支払った場合には、その年中の支払保険料の合計額(5万円限度)を控除する。
- 長期損害保険契約保険料の経過的取り扱い・・・・平成18年12月31日までに締結した分は、平成19年以降も控除できます。また地震保険と旧長期損害保険料とがある場合は、それらが一つの保険契約で支払われる場合は、所得者がいずれか選択したのみとなり、別個の契約に基づいて支払っている場合は、長期損害保険料控除額と地震保険料の合計額(最高5万円となります。)
〈 税源移譲に伴う住宅ロ−ン控除の特例と住民税の特例 〉
- 税源移譲対応特例・・・・住宅ロ−ン控除は、所得税についてのみ適用され住民税には適用されないので、税源移譲が実施され所得税が減少し住民税が増加すると、現行の住宅ロ−ン控除額を所得税から控除しきれない場合が生ずるので、納税者は自分の所得税と住宅ロ−ン残高等を勘案して住宅ロ−ン控除を「細く長く」(15年間)受けるか、又は「太く短く」(10年間)受けるかを選択出来るようになりました。ただし、この適用を受ける場合は、初年度は確定申告が必要ですから、平成19年分年末調整での適用余地はありません。
- 住民税の特例・・・・平成18年以前から住宅ロ−ン控除の適用を受ける人について下記の金額がある場合は、市区町村長に「市町村民税及び道府県民税住宅借入金等特別控除申告書」を提出して、その金額を翌年の住民税から減額できます。
i 現行住宅ロ−ン控除額可能額
ii 税源移譲前の税率による所得税額
iii i とii のいずれか少ない金額−その年分の所得税額 =住民税減額対象額
(蒔田)
今年1年を振り返りますと、「年金記録問題」がニュースや新聞紙面でかなり取り上げられ、問題視されました。年金記録の照会のため、各地の社会保険事務所が大変混雑したのも、まだ記憶に新しい出来事です。
年金制度はもともと、各年金制度の種類ごとに年金番号を付けて管理していたため、会社員から自営業へ転職したり、結婚して退職するなど年金制度間を移動することによって、1人で複数の年金番号を持つことが多くありました。しかしこの方法では年金管理が煩雑になることから、平成9年に基礎年金番号という統一した番号で管理する制度に変更しました。ところが、番号を統一する際に統合し切れなかった年金データが5000万件以上あり、未払になっている年金があることが判明したため、「年金記録問題」として世間を騒がす結果となりました。
社会保険庁では、未統合のデータの名寄せ作業を開始し、その結果現在の年金記録に結びつく可能性のある記録が出てきた人に、この12月から「ねんきん特別便」を送付し、記録の統合を進めることになりました。それ以外の人に対しても、平成20年10月までの間に「ねんきん特別便」が届くことになります。 「ねんきん特別便」が届いたら、まず記載されている加入記録に漏れや誤りがないかを確認する必要があります。その上で、確認した結果を回答しないと、記録の統合はされません。まず、記載内容に訂正がない場合は、同封の「年金加入記録照会票」から確認はがきを切り取り、“訂正がない”を丸で囲んで返送すれば確認手続は終了です。
では、記載内容に漏れや誤りがあった場合ですが、年金受給者と現役加入者では手続方法が異なります。現役加入者の場合、「年金加入記録照会票」に訂正事項を記入し、返信用封筒で返送します。その訂正事項について社会保険庁が再度調査し、結果が通知されることになります。一方、年金受給者の場合は、「年金加入記録照会票」に年金証書を添えて、社会保険事務所の窓口で手続をする必要があります。何らかの事情で社会保険事務所へ行けない場合は、下の専用ダイヤルに連絡することで郵送による手続方法を案内してもらうことができます。(専用ダイヤル:0570−058−555)
この「ねんきん特別便」で重要なことは、確認・回答の手続きをしないと記録の統合が行われない、 ということです。ご注意ください。
(後藤)


